MBOの仕組みについても少し書いておきます。MBOはLBOの一種なので、LBOとはなんだ、ということをまず。(以前のライブドアの件のときに書いたものそのままですが、おさらいと言うことで)
通常のLBOの仕組みはこんな感じです。
ある人(A社としましょう)がLBOにより、ワールドを買収するならば、そのスキームはこんな感じになります。
1、A社が100%子会社の
ペーパーカンパニーを設立
2、そのペーパーカンパニーは
金融機関に「ワールドをLBOしますので、買収に成功しそうな場合はお金を貸してください」と願いこみます。
借入金が多額になるため、まずは幹事
銀行をどこかにお願いして、その幹事銀行が複数の金融機関の「融資団」を結成し、その融資団がお金を貸すことになります
3、そして、そのペーパーカンパニーは○億円のお金を借りることができるという「内諾」を融資団より得ます。この時点ではまだお金は借りません
4、ペーパーカンパニーはワールド株式を買い付けるためにTOBを行います。このTOBを行うときの成立条件として「最低○株数を買い取れること」を条件とし、その株数を買い付けることができない場合はTOBをキャンセルできることとします
5、で、いざTOB開始です。もし必要以上の株数の買付ができた場合は、ペーパーカンパニーは融資団に対して「TOBが成立したので、内諾をいただいていた
融資をお願いします」と連絡します。一方、もしTOBが成功しない場合は、ペーパーカンパニーは融資団に対して「やっぱりお金が要らなくなったので、融資の話はなかったことにしてください」と連絡します
6、TOB成立後、ペーパーカンパニーはワールドの親会社となります。
資産としてワールド株式を保有する一方、多額の借入金を背負った会社となります。
7、最後にこのペーパー親会社とワールドを合併させます。合併させることによって、ペーパー親会社の借入金の返済義務は合併後の新会社に継続されるので、実質的にワールドが借入金の返済を行っていきます。で、合併後の新会社の保有者はA社、というわけです。
つまり、もっと平たく言うと、ペーパーカンパニーを設立し、その会社を借金漬けにして、ワールド株式の買収を行う、ってことです。ここで発生するであろう疑問としては、そんなペーパーカンパニーに誰がお金を貸してくれるのだ、ということです。
中身のないペーパーカンパニーであればもちろん誰もお金を貸してくれませんが、LBOで融資が実行されるのは、買収が成功した後なのです。つまり、ワールド株式のTOBに成功したら、このペーパーカンパニーがワールドと合併さえすれば借入金の返済能力が発生するので金融機関は融資をしてくれます。失敗したら融資をしないだけです。
つまり、金融機関はワールドの返済能力を見て、
融資額を決めるわけです。A社やペーパーカンパニーの返済能力がゼロでも極論はかまいません。
これがLBOです。
で、MBOとはなんだ、と言うと、上記A社が現経営陣になる場合です。現経営陣以外が上記A社に当たる場合は単なるLBOと呼ばれます。
今回のワールドの件では、現経営陣が設立するペーパーカンパニーが現株主に過去6ヶ月間の平均株価に25.6%の
プレミアムをつけて株式を買い付けるという形で現株主に報いるわけですが、現経営陣は企業の状況を最も把握している訳であり、彼らが25.6%を支払ってもペイすると思っているということは、彼らは将来的に自社株価を25.6%以上上げることができると思っているということにもなります。
そうならば、現株主の中には「上場を維持して現株主にも株価の25.6%以上の値上がりメリットを提供すべきだ」、とおっしゃる人も出てくるかもしれませんが、それはあくまでも可能性の話であり、現時点で25.6%というプレミアムを十分と判断するのか、不十分と判断するのか、それは各株主に委ねられることとなります。
posted by ちょう at 14:20| 東京

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ポッカ、ワールドMBO
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