TBSはもともといびつな会社構造になっています。と言うのは、主に以下の3つの特徴を持っています。
1、テレビ局(これは皆さんご存知)
2、不動産業
3、東京エレクトロンの大株主
では、順番に。
まずは、分かりやすい3番目の東エレから。
「東エレって、何の会社よ?」
と思う人も多いと思いますが、四季報によれば「電子製品商社から出発。半導体・液晶製造装置メーカーとして国内首位、世界で2位」と書いてあります。あまりテレビ業とは関係なさそうですよね。
でもなぜかTBSはこの東エレの株式を5.8%保有しており、しかも、東エレとTBSは同じビルに入っているのです。そう、あの赤坂のTBSビルに東エレは同居しています。
ここまでは、ふ〜ん、そうなのね、と思うでしょう。
ところがこの東エレ、一般の方になじみは薄いのですが、時価総額がなんと1兆1,324億円あります。そうです、1兆円を超えています。で、この5.8%はいくらに値するかというと
634億円!
そうです。TBSが持っている東エレの価値だけで634億円もあります。TBSを買収すれば、この634億円分の株式が手に入ることになります。なにやらニッポン放送がフジテレビの株式を持っていたときのような匂いがしてきますよね…
ちなみに今のTBSの時価総額は3,700億円程度。ですので、東エレの株の価値はTBSの時価総額の1/6に値します。
並み居る投資銀行がTBSに日参し、この東エレを売却しましょう、と提案してきてかれこれ何年経つでしょうか?そのたびにTBSはガンと首を横に振ってきたわけです。
と、少し長くなりましたが、2番目の不動産業に移りましょう。
TBSは赤坂近辺に不動産を持っており、その賃貸収入などがこの不動産業に当たり、現在はその赤坂地区を再開発しています。商業ビル、住居ビル、そして自社ビルを立てている最中です。
これは数年前の投資家ミーティングの席での話ですが、
「TBSさん。御社はどうして不動産事業を持っているのですか?御社経営陣はテレビ局を経営するプロですか?それとも不動産業を経営するプロですか?はっきり言わせていただくと、私がテレビ局に興味をある場合は御社の株ではなく、他の純粋にテレビ局のみを経営している会社の株式を買います。同様に不動産業に興味がある場合は、不動産会社の株式を買います。現状では、御社の株式を買うメリットがないのです」
と、ある投資家が言っていました。まあ、まさにその通りなのですが、ここで言うTBSの不動産事業ってのは、全体の売上に占める割合は1%程度、利益ベースでは3%程度、と、まあ、小さい訳です。ですので、目くじらを立てる必要性もあまりないのですが、ただ、どうしてもテレビ業とは相容れないものなので、目立ってしまいます。
上記投資家が言いたいのは、
「本業に関係のないものは処分し、経営陣は本業のことだけを考えてください。そしてその処分したお金を本業に使ってください」
ということだと思います。皮肉にも不動産業が、売上ベースでは1%程度しか占めないのに、利益ベースでは3%も占める、つまり、収益性が高いため、経営陣もなかなか、おいそれ、とは売却できないのだと思います。
そして、テレビ業はお金は要らないため、不動産事業を売却してお金を得ても使い道がないのですよね。村上氏流に言えば「いや、お金の使い道は存在する。つまり、株主に還元しなさい!」ということになるのでしょうが、どうしても一般の経営陣にはそれはピンと来ないですよね…
こんな感じで、全体的に投資家がTBSに対して持っている印象は、
「TBSは、本業と関係ない不動産業はやっているし、東エレの株とかを持っているし、そもそもの経営スタイルがいかがなものか?」
ということになってしまいます。
こういういびつな会社構図、という背景があっての、最近のTBSの敵対的買収防衛策導入、な訳です。敵対的買収防衛策を導入する前に、やることをキチンとやってくださいよ、というのが投資家の意見、そして、その中でも先鋭的な投資家がモノ言う株主として経営陣に変革を迫っていくという構図でしょうね。
とりあえず、不動産と東エレ株を売却するのがスッキリしそうですがね…







