先日、ライブドアニュースから1通のメール(↓)をいただきました。
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(前半省略)
一連のライブドア事件につきまして、私たちライブドア自身、真撃に受け止め、全容の解明に総力を尽くすとともに、独立したネットメディアを有する企業体の使命として、日本を代表する有識者から公平な立場でコメントをいただき、原文のまま掲載したいと考えます。
【質問内容】
・会社「ライブドア」について
・「ライブドア事件」について
・「堀江貴文」という人物について
・その他、ご意見・ご指摘等
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100名ほどにこのような依頼をされたそうで、返答があり次第順次
こちらの特設ブログにアップしていくそうです。
で、私は有識者でもオピニオンリーダーでもなんでもないのですが、勝手にたくさんライブドア関連のエントリーをブログで書いていたので、寄稿を依頼され、先日、考えを提供させていただきました。↓がその記事のコピーです。特設ブログのと全く同じですが、特設ブログだとコメントが書けないようなので、一応こちらにも載せておきますね。
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・ 企業としての「ライブドア」について
コングロマリット企業の復活に挑戦する事業形態だったと思います。
日本では90年代まではコングロマリット経営というのがもてはやされた時代があります。コングロマリット経営とは「いろんな事業体」を1つの企業の傘下におさめ、「なんだか良く分からないけど」それらの事業の間で「いろんな相乗効果」がありそう、ってものです。わざわざ鍵カッコに入れた部分は、あいまいな表現を強調したわけですが、ブランド力のある大企業の傘下であればその「あいまいさ」がむしろ「何かが起こるだろう」という期待感に変わっていたことを意味します。コングロマリット経営をしている企業の株価も「コングロマリットプレミアム」がつけられ、上がっていきました。
一方、90年代後半からは、このコングロマリット経営は賞賛の対象から非難の対象に変わります。それはあいまいなものをたくさん持っているだけではやっぱりだめで、事業上のつながりや相乗効果がキチンと見えないとダメだ、ということです。しかも90年代後半は日本経済はバブル崩壊の失われた10年からの再生過程の総仕上げの段階に入っていましたので、「本業回帰」「選択と集中」というものが声高に叫ばれました。そして、コングロマリット経営をしている企業の株価は「コングロマリットディスカウント」が付けられ、下がってしまいました。
ちなみに
Goo辞書によると
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コングロマリット 5 [conglomerate]
業種・業務面で関係をもたない企業間の合併を通じて成長した複合企業体。複合企業。
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このコングロマリット経営の最たるものはカネボウでした。カネボウはもともと紡績を主要とする企業でしたが、長期政権を敷いた伊藤社長のもと「ペンタゴン経営」と呼ばれる5つの事業(繊維・化粧品・医薬品・食品・住宅環境)を抱える企業に変わっていきます。最も成功したものは化粧品です。化粧品の成功もあって、このペンタゴン経営はコングロマリット経営の最も成功したパターンとしてもてはやされました。しかし、その後、カネボウがどうなったかは皆さんのよく知る限りです。
さて、ライブドアですが、上場当初の主力事業はインターネット事業だったと思います。しかし、その後、ライブドアという企業をもっと早く大きくできるように金融業に積極的に取り組むようになりました。それはカネボウが化粧品事業を始めたのと同じようなことではないでしょうか。もちろんインターネット業界は業界全体がまだまだ成長が見込まれていますので、わざわざ金融業に取り組まなくともある程度成長は可能だったと思います。カネボウにとっての繊維業から化粧品へ、というのは低成長業界から高成長業界へのシフト(生き残り戦略)だったわけですが、ライブドアの場合は、高成長インターネット事業と、高収益金融業の両方を獲得(更なる成長追求戦略)しに行った訳です。
そして、次にライブドアは、ライブドアブランドの元、まさにコングロマリット経営に乗り出します。いろんな事業を買収し、ライブドアという冠を付けてしまえば価値が上がっていったわけです。そして、ライブドア本体の価値、正確には株価ですが、も上がっていきました。最終的に、ライブドアの場合は持っている事業が5つどころか10ほどもありますので、ペンタゴン経営を超えるコングロマリット経営だったと思います。
同様にインターネット事業から発生した企業でコングロマリット経営を行っているのはソフトバンクだと思います。ただ、ソフトバンクが持っているインターネット事業はライブドアのインターネット事業よりも、一般人に分かりやすく規模が大きい。なので、ソフトバンクは虚業ではなくて、ライブドアは虚業と呼ばれてきたのだと思います。ただ、それは目に見えるかどうか、主力事業がどこかの違いであるか、ということかなと思います。
個人的にはこの21世紀型コングロマリット経営がどう帰着するのか、見てみたかったです。おそらく日本ではコングロマリット経営を成功させた経営者は出ていませんので、それにライブドアがなりうるのかどうか、今後見ていこうというステージだったと思います。
・ 「ライブドア事件」について
偽計取引、風説の流布、組合の存在、などなどもろもろ言われますが、今までの報道内容が正しいのであれば、ライブドアの行為で最も良くなかったのは、ライブドアの行為は偽札を刷ったことになることです。
単純に偽計取引と風説の流布だけですと、地検特捜部が捜査に入るほどのものかなと思います。特に当初の捜査容疑である偽計取引はマネーライフに関するものでしたが、マネーライフの当時の売り上げは6,700万円、利益は1,200万円、社員4名と非常に小さい企業です。この企業の買収を実質的にいつ行ったか、というだけであれば、それほど騒ぐ問題ではないと思います。ただ、それを利用して、株価を刷る口実を作り、かつ、そのタイミングにあわせて、100分割の株式分割を行い、株価を恣意的に上げた、で、その値段の上がった株式を市場で売却し、最終的にそれらをライブドアグループの収益に乗っけた、というのは、偽札を刷る行為と同じですよね。
事件は2004年10月に起こっています。もしその当時にこの件が発覚していれば、ライブドアブランドはその時点で失墜していたでしょうし、こういう行為を行わなかったとすれば、ライブドアの株価がもっと低いレベルで推移した可能性もあります。そうすると、以下のすべてのライブドアの行為が存在しなかったかもしれません。
−2005年2月にニッポン放送株式を取得し、フジテレビの買収を企図
−2005年夏に近鉄買収に名乗りを上げる−2005年秋に堀江氏が広島6区から立候補
これらが起こっていなかったとなると、フジテレビはライブドア株式を購入することもなかったでしょう。また、もし、楽天のTBS株式取得が、このライブドアの行為によって触発されたこともあるのであれば、楽天TBS問題も起きなかったかもしれません。
また、ライブドアが近鉄買収に名乗りを上げなければ、もしかすると、プロ野球は今は1リーグで行っていたかもしれませんし、楽天野球団も誕生していなかったかもしれません。
【2006年2月13日追記:コメントにてご指摘いただいたとおり、近鉄買収に名乗りを上げたのは2004年10月以前でしたので該当部分を削除します】
選挙においては、堀江氏は郵政民営化賛成を明確にしていましたが、広島6区の住民でなくとも、「アイドル」堀江氏が郵政民営化賛成を唱えるなら自民党に投票しよう、と思った国民も少なからず存在したかと思います。
これらは、あくまで「たられば」論ですので、論じること自体あまり意味はありませんが、可能性としてはそういうこともあっとという認識はもっておいてもいいかと思います。
・ 「堀江貴文」という人物について
一言で「歴史を変えた」人物になると思います。もちろん良い意味と悪い意味と両方ありますが、上記、ニッポン放送、プロ野球、選挙のみならず、堀江氏の存在がなければ、日本の敵対的買収、TOBに関する市場整備はまだ進まなかったでしょうし、個人投資家がここまで積極的に株式投資に参加することもなかったでしょう。一方で、「知っているものが勝つ」というメッセージを明確にすることにより、一般大衆に「自分たちも知る側に立とう」と思わせたこともあるかと思います。
また、ニックネームを活用することの効用も彼が教えてくれたことの大きなものかと思います。堀江貴文ではなくて、ホリエモンと自らマーケティングすることにより、小学生でも知っているマスコットに自らがなることにより、国全体として知らない人はいない状態に持っていったというのはすごいと思います。
最後に堀江氏は、賛否両論さまざまあると思いますが、旧体制との対立、旧体制の破壊の先鋒者という位置づけだったと思います。一般大衆の日々の不満、愚痴など、それらを解消する代弁者として堀江氏は存在し、それゆえに国民的「アイドル」になっていったのかと思います。
また堀江氏への批判などはすべて「モラルの欠如」にまとめることができるかと思います。モラルってのは人によって基準も異なりますので、「欠如」と言っても具体的に何がとは言えませんが、「今までの日本の価値観」に照らし合わせると堀江氏の行動はモラルが欠如していたのだと思います。
・ その他、ご意見・ご指摘等ありましたら、ご自由にご記入ください。
このような企画を自ら率先して実行なさったライブドアニュースのスタッフの方々に敬意を表します。日々、大変だと思いますが、がんばってください。
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ライブドア事件特集ブログで今後どのような方々のどのような意見が出てくるのか楽しみですね。